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「尿道炎の診断における落とし穴」




コラム掲載 2016年1月



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尿道炎の診断における落とし穴

明けましておめでとうございます。

 尿道炎に関しても、書いても書いても書き足りないことは幾らでも有ります。

 尿道炎は尿道粘膜内に細菌が取り憑いて炎症を起こした状態であり、(ここからが重要なんだが)常識的には排尿時だけに痛みなり、違和感が出るのであって、排尿時以外は無症状なんだよ。最近、二ヶ月前から尿道に痛みが有ります、とか、半年前から時々尿道が痛む、といった患者さんを結構診るのだけれど、よく話を聞くと症状は排尿時とは無関係というcaseが多いんだね。普通の急性尿道炎だって本人は案外気が付いていないけれども、症状は排尿時だけ出ているんですよ。話戻って、数ヶ月以上も尿道痛が続いている患者さん、尿道炎と信じ込まされて抗生剤漬けにされてる患者さんね、常時痛みが出てるなんて尿道炎ではないんですよ、と説明すると一様にびっくりするんだなあ。尿道分泌物鏡検して白血球が出ていないことを証明して初めて納得してもらえる場合も少なくないね。

 以前、関連痛という泌尿器科特有の症状の出方について説明したことがありますが(症状が出ている場所と実際に炎症を起こしている場所が異なる、という話)、尿道痛が数ヶ月続いている患者さんの話をよく聞くと、下腹部が重い、睾丸に違和感を感じる、会陰部に違和感があるetcの症状を伴っているcaseが少なからずあるんだなあ。これって、慢性前立腺炎の症状でしょう。

 そういった患者さんには、尿道炎ではなく前立腺炎の可能性があること、よって前立腺炎の治療を勧め、治療の結果かなりの例で改善が認められています。

 患者さんが「尿道に痛みがあるんですよ。」と言えば、当然尿道炎が頭に浮かぶでしょうね。それは構わないのだけれども話もあまり聞かず(要するに問診をきちんとせず)、いきなりオシッコ採って検査に出すだけで尿道の状態を見もせずにどの患者にも同じ抗生剤を出すのは、どう考えても医者の怠慢だろう。

 これが今の性病科の現場で日常茶飯事に行われている悪しき行為だよ。まあ、尿道に云々….という患者さんが来院したら、少なくとも排尿時以外にも症状が無いかどうか位は聞くべきだろうな。

 ところで排尿時激痛があって、膿が殆ど認められないcase,これが一番治療が難しい。尿道口周辺は赤く腫れているのが特徴的で細菌培養検査でも菌は捕まりにくい(検査の途中で死滅してしまうと思われるが…)。こういう症状に陥ったら、あまり経験の無い医者には手も足も出ない。ある種の普通あまりFirst choiceで使われない抗生剤を使用し、3−4日で再診してもらう。痛みに変化が無い場合、他の抗生剤を被せるか、真菌の存在も疑う。僕は年間2000名に上る尿道炎の患者を診ていますが真菌性尿道炎は0.3%位しか無い極めて稀な症例で、適切と思われる抗生剤の使用によっても症状は悪化するので、それまで待たないと抗真菌薬の投与には踏み切れない。

 どんな病気でも同じだろうけれども、こなしてきた症例の数、経験に勝るものはありません。

えびす皮フ泌尿器科 (性病よろず相談所)  院長  原口 忠

2016年1月1日 

 

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