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「尿道炎 PART 11?」




コラム掲載 2015年11月



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尿道炎 PART 11?

尿道炎について、先月ある程度話しました。

雑菌性尿道炎の存在の重要性に関しても、ね。

 性行為から症状が出るまでの期間、来院された時の排尿前の尿道口、および膿の出方、痛みなのか違和感程度なのか、セカンドオピニオンで来院された場合はなんの薬を処方されたのか僕は事細かに患者さんに質問します。前医で尿道を仔細に観察された、という例はほぼ皆無、話をきちんと聞いてくれた例も実に少ない。だいたい、いきなり「オシッコ採ってください。薬出しときますから一週間後に来るように。」と言われて、どうして最適の薬が分かるのか?僕にはとてもできない芸当だよね。

 また、薬を内服しても一向に良くならず、再診したらまた同じ抗生剤が出ました、という例が多いのもあり得ない話だと思いますよ。抗生剤はうまく合っていれば当然一週間でかなり症状は改善するはずでしょう。一週間使って症状にあまり変化が出ない場合、その抗生剤は原因菌には効果がないと判断できるはずでしょう。

 だったら,何故同じ抗生剤を出すのか、考えてみて下さい。

 性病系の尿道炎の治療はかなり楽です。何故なら、淋病もクラミジアも治療法が確立されているからで、淋病だけなら注射一発、クラミジアも二週間の治療でマズ完治します(クラミジアはジスロマック一回飲めばOKと言いますが、確立は100%とは言えないようなんだけどなあ)。まあ、それは置いといて問題は、雑菌性尿道炎の治療なんだよね。雑菌は名前が同じでも個体個体で抗生剤の効きが異なる上に、最初に述べた問診が抗生剤を決める上でかなりの重要性を持っているんだな。それにSECOND OPINIONで来院される患者サン方は例外なく淋菌、クラミジア陰性もしくは治療済みで、それでも症状が残っていて、それを訴えても相手にされないから僕の診療所に来てくれるんだよね。で、よく話を聞いて尿道分泌物をCHECK して、念のため細菌培養も行って(症状をよーく聞いて、尿道分泌物を鏡検すれば経験上最適の抗生剤は分かるけどね。)

 万全の体制で臨んでも手こずるしぶとい雑菌だっているのだから。こいつらには、グレース…….やジスロ…..などといった高価な薬は経験上マズ効かない(良い薬なんだけどね。)。そういった手強い雑菌を長年相手にしてきたお陰で、尿道炎なら必ず治せる、という自信があるのだと思います。

 話題変わって、尿道炎の原因菌もここ数年間で長足の進化を遂げつつあるという事実をご存知だろうか。十年ほど前にはCANDIDA 性尿道炎なんぞは全く思いもしなっかたし(ここ4−5年、年間900件以上の尿道炎患者を治療している僕でさえ年に6−7件しか経験し得ない症例なのだが……これは培養でもまず捕まらないので、経験した医師でなければまず治療は不可能だろう。)、あの淋病(今でも性行為後数日で、排尿時疼痛と多量の排膿を認めると信じられているフシがあるが)も、性行為後二週間以上経って初めて症状を認めなおかつ、かつては代名詞であった黄緑色の大量の排膿も全く認めない症例が現れてきているんですね。

 しかし、尿道口を注意深く観察すると、通常の雑菌の排膿状態とは微妙に異なる(もちろんクラミジアとは全く違います)所見が見て取れ、ある特定の抗生剤に対する反応から正体が明らかになるのです(もちろん、尿を採って遺伝子検査「SDA,PCR」を行えば確実に解明できるのだが)。

 では何故細菌が進化、もしくは変異をし始めているのか。その原因は抗生剤の長足の進歩、そしてその乱用にあるのではないだろうか。言い方は可笑しいけれども、細菌もバカではないのだ!研究者たちが莫大な研究費をかけて新型の抗生剤を開発し華々しくデビューさせる。最初こそ効果抜群である。日本中の医者がこぞって使用する。

 しかし、仲間たちがドンドン討ち死にしていく中、生き残った傷つくも老獪な細菌どもはその新しい抗生剤に対する回答、つまり薬剤耐性菌となって不死鳥の如く復活を果たすのだ。抗生剤の過剰使用が細菌に変異のきっかけを与えているんだよ。繰り返し言うが、細菌はバカではないのだ、と。でなければ、とっくに尿道炎の原因菌だっていなくなっているはずだろ?でも、尿道炎の患者さんの数はここ20年間だけで見ても全く減ってはいないのだよ。

 以前から述べているとおり治療に使う抗生剤は最小限であるべきで、いきなりオシッコ採って、尿道を見もせず高価な抗生剤を出すという診療はいかがなものだろうか?問診、視診という古来僕たちが重視してきた貴重な情報を無視する先生方が今程までに増えてしまった理由はどこにあるのだろうか。尿検査で判明出来るのは、淋菌、クラミジアだけで(マイコプラズマも有るが)両方とも出なかった時、効果が出なかった時、無駄に使われることになった高価な抗生剤の使用が老獪な細菌たちに情報を提供を提供することになりはしないのか?

 高価な抗生剤が悪いと言っている訳では無い。たゆまぬ研究によって開発される新薬が悪い薬であるはずは無い、はずだ。問題は、新薬と言ってもすべての細菌に有効ではないということ。適材適所に使われていない(むしろめったやたらに使われている)ことが問題なんじゃないのかな。

 今月のKEY WARD : 細菌はバカではないのだ!

 と、まあ、この辺で今月は止めておきたいと思います。ご拝読,有難うございました。

えびす皮フ泌尿器科 (性病よろず相談所)  院長  原口 忠

2015年11月1日 

 

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